【エミリー/嶽本 野ばら】
2005年6月2日 読書
ISBN:4087478181 文庫 集英社 2005/05/20 ¥440
本書中の「エミリー」に登場する男の子と女の子の関係。
性懲りもなく憧れた。嫉妬した。
恋愛感情に限りなく近いけれども完全に合致はしない
…でもそんなことに何の問題がある?
ただ互いを大切に想いやる気持ち。
男の子はゲイで女の子は男性恐怖症、
セックスこそ行われないものの、互いの体を求め合い
『番う』ことから身体と身体が重なることで得られる幸福を知る。
二人はあまりにも純粋すぎて、それぞれに「現実」では
冷酷な日常を背負わされている。
そんな魂への救済。
二人の関係は崇高さすら感じられるようなものへ昇華した。
私にも純粋でいたかった部分はあった。恥ずかしげもなく。
汚い世界の中、いい子ぶってると嘲笑されても、
付け込まれていいように利用されても、
引きずり墜とされたくなかった。
守りたかった。負けたくなかった。
…だけど、力尽きてしまった。
もう墜ちていくことしかできない。
だから今、心はここにない。
未だ純粋を夢想し続けている私の亡霊となって虚空をさまよっている。
さまよい続けていれば、いつか救済は訪れるだろうか。
リアルな世界では抱くことすら許されぬ望みでも、
そこは虚空だから。
一夜の夢ぐらい、見たいと願うことは許されるかもしれない。
本書中の「エミリー」に登場する男の子と女の子の関係。
性懲りもなく憧れた。嫉妬した。
恋愛感情に限りなく近いけれども完全に合致はしない
…でもそんなことに何の問題がある?
ただ互いを大切に想いやる気持ち。
男の子はゲイで女の子は男性恐怖症、
セックスこそ行われないものの、互いの体を求め合い
『番う』ことから身体と身体が重なることで得られる幸福を知る。
二人はあまりにも純粋すぎて、それぞれに「現実」では
冷酷な日常を背負わされている。
そんな魂への救済。
二人の関係は崇高さすら感じられるようなものへ昇華した。
私にも純粋でいたかった部分はあった。恥ずかしげもなく。
汚い世界の中、いい子ぶってると嘲笑されても、
付け込まれていいように利用されても、
引きずり墜とされたくなかった。
守りたかった。負けたくなかった。
…だけど、力尽きてしまった。
もう墜ちていくことしかできない。
だから今、心はここにない。
未だ純粋を夢想し続けている私の亡霊となって虚空をさまよっている。
さまよい続けていれば、いつか救済は訪れるだろうか。
リアルな世界では抱くことすら許されぬ望みでも、
そこは虚空だから。
一夜の夢ぐらい、見たいと願うことは許されるかもしれない。
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